極限の強弱の証明 〜その3〜 思案
目的は、 が成り立つことを証明するために、不等式を作ることである。すなわち、ある程度 が大きいところで、
かつ
を満たす関数 を見つけなくてはならない。
いろんな人を巻き込んで考えたがその作業は予想外に難航し、最終的に を見つけたのは筆者であった。筆者がどのように考えたか次に示してみるが、結構紆余曲折している。
上のような をいきなり見つけるのは難しいだろう。そこでまずは分母の のことは考えず、
・・・ (1)
を満たす関数 を見つけてみよう。ただし 自身は単調増加で であるから、
でなければならない。
しかも(1)式の辺々を で割ることにより得られる不等式
においてはさみうちにできるためには、
でなければならない。
さて、とりあえず として最も簡単そうな関数は、
( は実数)
のような関数であろう。なぜならば、
のように、 の値によって極限がいろいろと変わるからである。
このように をおくとき、
であるから、
となるためには、
となるためには、 すなわち
まとめて、
が成り立たなければならない。
ということはこれを満たす として、たとえば をとり、
とすればよいのではないだろうかと考えてみた。
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