極限の強弱の証明 〜その2〜 検索
強弱の関係自身を証明させる入試問題も、毎年多く出題される。たとえば次のようなものがある。
入試出題例1 京都工繊大(設問一部省略)
のとき が成り立つことを示し、これを利用して が成り立つことを示せ。
入試出題例2 武蔵工業大(設問一部省略)
(1) のとき が成り立つことを証明せよ。
(2) を求めよ。
証明する方法は決まっていて、
[1] 不等式が成り立つことを、微分を用いて証明する。
[2] [1]で示した不等式を用いて、はさみうちの原理を利用する。
である。上記の例に[2]を実際に用いてみると次のようになる。([1]の証明はここでは省略する)
例1 とするので、 で考えてよい。このとき証明した不等式は とできる。
この不等式の辺々を で割ると、 であり、
であるから、はさみうちの原理より が成り立つ。
例2 まず であることから、証明した不等式は とできる。
さらにこの不等式において すなわち とおくと、 のとき であるから、
(両辺を 倍した)
ここで のとき であり、 であるから、
はさみうちの原理より すなわち、 が成り立つ。
このように入試問題では、はさみうちにするための不等式があらかじめ与えられているので、安心してそれを用いて証明すればよい。
そして の証明方法も、流れ自体はこれと変わらないはずである。
ところが今回は、その不等式すら与えられていないわけだから、まずそこから作り出すしかない。
これが意外と難しい作業だった。質問に来た本人だけでなく、その場にいた個別指導担当の大学生や、周りにいた生徒たちも巻き込んでいろいろ考え始めた(・・・巻き込まれた人たちにはさぞ迷惑な話であっただろう(^^;))。
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