イマセン第12回 数の感覚〜その3〜
解答
(3) < (4) < 2
解説
(3)(4) 円周率が関係している。先ほどのルート同士のように2乗してみても意味がない。そのような場合に大小比較するためには、次のように具体的にどういう数なのか、小数第何位かは覚えていないといけない。
, , ,
これらからたとえば、 , や、 , などの大小関係が成り立つことが分かる。
(3) 小数第何位まで使うのかは問題に応じて変えればよいが、少ないに越したことはないので、まず小数を使わずに考えてみると、
また、 より
したがって、これでは2数の大小比較ができない。そこでもう少し細かく小数第一位まで見てみると、
また、 より
これでようやく、 < であることが分かった。
(4) こんどは(2)と同じように、引き算して考えよう。ただし引き算した後、やや「職人技」な変形を要する。
であることを利用して、
・・・(*)
ここから何がしたいのかといえば、(*)<0 であることを示すことである。「大きく見積もってを4にしてもなお、(*)は0より小さい」ことが分かれば < 2といえるのだ。そしてもはやは無いので、(2)までと同じような方法で大小比較をすればよい。
(*)=
であり、 , であるから、 すなわち (*)<0である。
したがってこれでようやく、 < 2 であることが分かった。
逆にもし仮に、 であることを利用して、
・・・(**)
としたならば、「(**)>0 がいえて > 2である」という流れにならないと、(実際はウソなのだが)理論的には正しくない。しかし残念なことに、実際は(**)<0がいえてしまうし、だからといって、,,・・・などと細かく見積もったとしても同じことである。したがって(**)のように変形しても、先が続かないのだ。
つまりややこしい数の大小比較は、あらかじめ「2の方が大きいな」などととアタリをつけて、それをいかに証明するかという点に気を配らないと、先が続かない計算に陥ることになる。そしてそのためには、繰り返しになるがいろいろな数が、具体的にどういう数なのか、小数第何位かは覚えていないといけないのだ。例えば,とすることにより、
なので、 < 2 を示そう、という流れになるのだ。
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