トレミーの定理の証明〜1〜

 

例題 四角形ABCDは円に内接していて、AB=3, BC=7, CD=7, DA=5 とする。次の値を求めよ。
(ア) ∠Aの大きさ  (イ) BDの長さ  (ウ) ACの長さ
(センター試験・追試 の一部)

 

解答は(ア)∠A= (イ)BD=7  △ABDと△BCDで余弦定理を2式立てて、連立すればよい。

円に内接する四角形001

, BD= とおく。△ABDと△BCDで余弦定理を用いて、
  ・・・(1)
  ・・・(2)
(1)(2)より、 すなわち が得られ、これを(1)または(2)に代入して、  を得る。

 

(ウ)では、「正統派」の解法をするならば、改めて△ABCと△ACDで余弦定理を立てて連立する。

円に内接する四角形002

, AC= とおく。△ABCと△ACDで余弦定理を用いて、
  ・・・(3)
  ・・・(4)
(3)(4)より、 が得られ、これを(3)または(4)に代入して、  を得る。

 

 ところがそれでは計算の手間が2倍に増え、一刻を争うセンター試験などでは特に、痛々しい事態となる。

 そこで(ウ)では、教科書に表立っては載っていない次のような定理を使うと早い。

<トレミーの定理>
円に内接する四角形ABCDにおいて、
 AB・CD+AD・BC=AC・BD
が成立する。

トレミーの定理の図

これを利用すると、3・7+5・7=AC・7 より、AC=8 とすぐに求めることができる。

 特にセンター試験では、「円に内接する四角形」はよくある構図で、この「トレミーの定理」を知っていると問題がスムーズに解けることが多い。だが、自分はその証明を知らず、数学教師としてそれはマズイので、何とか自力で証明を試みたのだった。

 

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