極限の強弱の証明 〜その6〜 考察

 

 求められた不等式

    のとき 

は、 の証明の際に、決して一般的に使われるものではないだろう。きっと何か背景があって がどのような正の値でも、

    のとき , かつ 

 となる がもしかしたら存在するのかもしれない。筆者は不勉強なので今の所それが分からないのだが、その上で何とか証明してみようというのは、受験生と同じ立場になるということで、勉強になったと思う。

 これを質問に来た当の本人は、証明を見せたら満足して去っていった。だが巻き込まれた生徒の一人には、「逆算して考えたことがすごい」と言われ、感動されてしまった。

 ちなみに感動したほうの生徒が試みていたのは、〜その2〜で紹介した入試問題の例2を参考にして、まず を絡めた不等式を作ろうとしていた。残念ながらそれは不成功に終わってしまったのだが、筆者自身はそれを参考に、次のような証明をつくり、その生徒に紹介しておいた。

 

 (1)  のとき を証明する。

  ちなみに係数 も、 の 3 と全く同じ理由で、微分した際の余計な係数をなくすためである。

  ただし とおいたとき、 まで必要であった。

   (さらに言えば、これは、大学初年度で学ぶ「テイラー展開」というものに関係する不等式である。)

 

 (2)  とおくことにより、(1)の不等式が次のように変形できることを利用する。

             

                 

    であるからはさみうちの原理より すなわち

 

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