イマセン第19回 必要なものだけ残せ 〜その7〜

 

 そこで、改めて元の図に戻ってみよう。線分 AQ と線分 OB のうち、長さの情報が分かりやすいのはどちらだろうか。

 実は線分 OB の方である。なぜならば、次の図2-(2)-5の太線部ように直角三角形 OAB に注目すれば、問題文より OA = 9,(1)より AB = 12 と分かっていて、三平方の定理で OB が求められるからだ。

  より、OB = 15 と分かる(図2-(2)-6)。

 そしてメネラウスの定理を使うためには、さらに比 OP:PB が求められなくてはならない。

 再び図2-(2)-6において、直角三角形 OAB ∽ 直角三角形 OPA だから、

   OA:OB = OP:OA すなわち 9:15 = OP:9

 したがって、OP = と分かる。

 このとき PB = OB-OP = = であるから、OP:PB = = 9:16 と分かる(図2-2-(7))。

 あとは図2-(2)-8において、晴れてメネラウスの定理を使えばよいわけだ。

     より 

 したがって、CQ:QB = 9:8 であると分かる。

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 図形の問題を解いてもらうと、やたらといろいろな線を描き加える人がいるが、それはおすすめできない。図がより複雑になって、分かるものも分からなくなってしまうからだ。

 平面図形の問題が入試問題で出題されることはほとんどないから、今回のことが役に立つならば、それは定期試験においてだろう。特に定期試験では、教科書を逸脱することはないわけだから、教科書の知識をしっかり頭に入れておきたい。

 ということでまとめてみよう。図形のやや複雑な問題が解けるためには、次のことに注意しておくとよい。

  1.あらかじめ定理をすべて頭に入れ、整理しておく。
    他の単元よりもさらにしっかりと、この整理をしておきたい。怠ると後が大変である。

  2.問題文の図と、自分の頭に入っている定理とを照らし合わせる。
    解説でやったように、分かっている情報や求めたいものを太く塗ったりして、他の情報と区別してみる。
    そして自分の知識と照らし合わせ、使えそうな定理を見出す。
    その際、むやみやたらと線は描き加えない。描き加えてもいいことはあまりない。

  3.新たに図を書き直す。
    定理が見出せたら、問題文の図とは別に、必要な部分だけを取り出した図を新たに描き直す。
    その方が余計な情報に悩まされずに済む。

 そういう意味で今回は、タイトルを「必要なものだけ残せ」としたわけである。

 

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