イマセン第16回 条件をそろえよう〜4〜

 

 ところでこの問題を、次のように解いてみたらどうだろう?

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(解答) 方程式

   ・・・(*)

 において、解の1つを とする。その平方 も解であるから、

  

 ここから を消去するために、(1)を について整理して、

  

 ここで、 はこの方程式を満たさない(右辺は0だが左辺は0以外になる)ので、両辺を で割ると、

   ・・・(3)

 これを(2)に代入して、

  

 分母を払って整理する(途中経過はかなり省略する)と、

  

  

 よって、この方程式の実数解は、 ・・・(**)

 これらをそれぞれ(3)に代入して、

   のとき  のとき のとき

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 さて、ここで解答を終了させて「」を答えにしてしまうと、〜2〜で求めた正答( のみ)と照らし合わせても分かるとおり、誤答である。

 一見文字の個数=式の個数であるからきちんと解けたように見える。どういうことだろうか。

 本当の答えは だけなのだが、 の値が3つも出てきてしまった。実はこの解答には続きがある。

 

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(解答続き)

  のとき方程式(*)は となり、この2解は
 よって条件を満たさず不適。

  のとき方程式(*)は となり、この2解は
 よって条件を満たさず不適。

  のとき方程式(*)は となり、この2解は
 これは条件を満たすので適する。

 以上より、

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  のとき、 である。このとき(1)(2)は(見た目こそ違うが)まったく同じ式である。

 つまり「少なくとも (または1)を解に持つときの の値」を求めているに過ぎず、このとき他方の解についてはまったく考えられていない。

 したがって(1)(2)だけでは「一方の解が他の解の平方」という条件をきちんと満たしているとは言えない(場合によって式の個数が減ってしまう)。だから の値を求めた後、改めてこの条件を満たすかを、方程式(*)に戻って確認しないといけないのだ。

 とりあえず求められたを改めて(*)に代入して、「 であれば確かに条件を満たす」ということが導かれた。これを「十分性の確認」という。

 

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