番外編 場合の数の使い分け(その1)

 

 ベクトルや数列、微分積分などは、最初はとっつきにくいがコツを掴めば十分得点源になる単元である。ところが数学Aの場合の数は、特別とっつきにくいところはないが、なかなかコツを掴めない。

 今回はそんな人たちのために、次のような問題で試してみよう。数学A場合の数を一通り学んでいることを前提とさせていただく。

 

問題1.6個の玉を2個の箱に入れる。次のときの入れ方はそれぞれ何通りか。

(ア)空箱があってもよいとする。

 (1) 玉も箱も区別できるとき

 (2) 玉は区別できるが、箱は区別できないとき

 (3) 玉は区別できないが、箱は区別できるとき

 (4) 玉も箱も区別できないとき

(イ)空箱があってはならないとする。

 (1) 玉も箱も区別できるとき

 (2) 玉は区別できるが、箱は区別できないとき

 (3) 玉は区別できないが、箱は区別できるとき

 (4) 玉も箱も区別できないとき

 

 「玉が区別できる」とは、6個の玉がa, b, c, d, e, f のようにすべて異なる名前がついているということだ。逆に「玉が区別できない」とは、どの玉も同じ形・同じ色なので区別ができない。「箱が区別できる・できない」も、同じ意味。

 「玉も箱も区別できる」とき、6個の玉を, b, c, d, e, f ,2個の箱をX, Y と名前をつけたとする。下記左の( )は箱X、右の( )は箱Yに入る玉とすると、例えば

 (a, b, c) (d, e, f)  と  (a, c, e) (b, d, f)

 は、全場合の数の中の別物の2通り。ところが「玉は区別できない(箱は区別できる)」ならば、3個ずつに分かれている点で全く同じだから、全場合の数の中の同じものとして数えられているはずである。

 「あぁ、あの問題か」と思う人もいれば、「何がどう違うのかさっぱり分からない」と思う人もいるだろう。何はともあれ、自分なりの答えを出してからその2の解答を見てほしい。

 

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