トレミーの定理の証明〜3〜
ところで、こんな問題がある。
問題 一辺の長さが1である正五角形ABCDEの対角線の長さを求めよ。
正攻法では、三角形の相似を使えば解けるが、相似であることを証明するのが意外と面倒くさかったりする。
正五角形の一つの角の大きさは であり、上図において△ABCや△ABEはその角を頂角に持つ二等辺三角形だから、残りの角はずつとなる。 したがって、2角相等により △ABC∽△AFB すなわち AB:AC=AF:AB ・・・(1)
一方、△CBFがCB=CF=1の二等辺三角形となることより、対角線の長さを とおけば、(1)より
よって が成り立ち、 より ・・・(答)
ところが、生徒の一人がこの問題をトレミーの定理を使って解いていた。
一般に正n角形は円に内接し、さらに上図における四角形ABCD(太線部)もまた、円に内接する四角形となる。
したがって、対角線の長さ AC=AD=BD= とし、四角形ABCDにトレミーの定理を用いれば、
AB・CD+AD・BC=AC・BD すなわち
が成り立つ。これは正攻法で得られた方程式と同じであるから、 ・・・(答)
生徒のその発見に、なるほどと膝を打った。
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