反転の問題 〜その1〜

 

 今回はまず、問題を見ていただこう。

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 問題: O を原点とする座標平面上に直線 がある。 上に点 P をとり、半直線 OP 上に点 Q を、 を満たすようにとる。P が 上を動くとき、点 Q の軌跡を求めよ。

 解答: とおく。このとき条件 より、

    すなわち  ・・・(1)

 が成り立つ。また、3 点 O,P,Q は同一半直線上にあることより、

    ・・・(2)

 が成り立つ。Q が原点に一致することはないので に注意して、(1)(2)より、

    ・・・(3)

 ここで、点 P は直線 上を動くから、

    ・・・(4)

 を満たすので、(3)を(4)に代入して、

   

   

   

 したがって Q の軌跡は、中心 、半径 の円。ただし、 より、原点を除く。

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 これは、「反転の問題」という有名な問題だ。反転とは、点 P に対して、次のような条件(1)(2)を満たす点 Q をとるとき、点 P を点 Q に移す操作のことをいう。

 反転の条件:

   (1) 点 Q は半直線 OP 上にある

   (2) 長さの積が一定

 

 この反転について、次のが成り立つことが知られている。

 反転の性質:

   (1) O を通る直線は、O を通る直線に移る

   (2) O を通らない直線は、O を通る円に移る

   (3) O を通る円は、O を通らない直線に移る

   (4) O を通らない円は、O を通らない円に移る

 

 今回の問題は、(2)の一例であった。

 このうち(1)は自明(直線 OP が直線 OP 自身に移る)だが、他のものはそうではない。もちろんその証明をするための一つの方法は、この問題のように座標平面上で計算することだ。だが今回は、それを図形的に証明してみることにした。

 

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