Gauss-Greenの定理の証明

 

Step 1 符号つき面積

Oを原点とする座標平面上の△OABに対し、原点から見てO(0, 0), A(a, b), B(c, d)が「左回りのとき正、右回りのとき負」・・・(*)となるような△OABの面積を「符号つき面積」とよぶ。これをSとすると、

        

が成立する。

  

 

(証明)

OA, OBの長さをそれぞれ,A, Bの偏角をそれぞれ とする。ただし、  とする。

このとき、

        

とすれば条件(*)を満たす。

  

ここで

  A,B

と表されることを利用して、

        

           

               ■

 

Step 2 Gauss-Greenの定理

 上の関数によって表される点P が座標平面上でAからB まで、原点から見て左回りに動くときに描く曲線をとする。曲線,線分OA,および線分OBによって囲まれる図形の面積をとするとき、

        

が成立する。Pが右回りに動くときも同じ式で面積を定める。このとき面積は負となる。

  

(証明)

に対する増分をそれぞれ とすれば、Step1で示した符号つき面積の式より、

        

             

と近似できるから、

        

と表せる。

  

したがって、 とすれば、

        

である。よって

        

が成り立つ。■

パラメータ表示された閉曲線の内部の面積は、それが原点を内部に含んでいても、外部にあっても、符号つき面積の意味、およびこの定理によりすべて求められる。

  

 原点を内部に含む場合、曲線  は原点から見てつねに左回りに進む。

 

 原点が外部にある場合、原点から曲線 に接線を 2 本引き、接点を図のように P1,P2 とおく。

    P1 → P2 → P1

 のように点 P が進むとし、さらに

     = ( P1 → P2 の部分と直線 OP1,OP2 により囲まれる部分の符号つき面積
     = ( P2 → P1 の部分と直線 OP1,OP2 により囲まれる部分の符号つき面積

 と定めれば、

     =
            =
            =

 と表される。

 

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