子どもの育て方
私自身に子どもがいるわけではない。何を言いたいかといえば、最近生徒と接していて思うのが、「生徒への接し方」と「子どもの育て方」って、つくづく似ているところがあるよな、ということだ。当たり前といえば当たり前だが。
最近の私の授業の方法。それは教科の内容云々ではない。もっと抽象的なことになるが、「生徒にとってのベスト」を常に最優先させる、ということだ。
以前の私なら「授業では間違ったことを言ってはいけない」「時間きっかりに終わらないといけない」など、must や must not が多かった。そうすると堅い授業になる。
これでは生徒がリラックスできず、worse や worst ではないかもしれないが、bestでもない。
でも最近は、間違うのは仕方ない、人間とは間違う生き物なのだ!と開き直っている。
先日も、なんか黒板でヘンな計算してるなと思ったら、途中でプラスマイナスの符号を間違えていた。生徒が指摘してくれて初めて気づいた。
そして私は、「ははは、今日もやっちゃったね〜♪」と、適当に笑い飛ばす(事実、今日「も」というくらい、私は毎週必ず1回は間違えるのだ・・・)。私はその時の、教室全体を覆うなんともいえぬ脱力感が、けっこう好きである。
そんな時、生徒に笑われたり呆れられたりすることはあっても、嫌な顔をされることはまずない。
さて、ということはおのずから、生徒の間違いに対しても寛容になる。いや間違えてはいけないのは確かだから、見つけたら直すように言うけど、基本的には「間違ってもいいじゃん、直しゃいいんだから」というスタンスだ。
生徒にとってのベストって、たとえばそういうことなのかもしれない、と今のところ思っている。
亡くなった祖父の口癖が、「失敗しないように気をつけなさい」だった。祖父は警察官をやっていた人だから、そうなるのも無理はない。その血を引いている自分の根っこも同じなのかもしれないけど、「間違ってもいいじゃん」と思うようにすることで、ずいぶん楽でもある。
で、基本的には間違いを明るく笑い飛ばし、要所要所で頼りになるところを見せられれば、なおいいかな。
そうすれば普段は特に気にし過ぎなくても、子どもは大体普通に育つんじゃないだろうか。
(2008.12.03)
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