新年度2週目を終えて

 

 ようやく新年度すべての授業について、少なくとも2回目が終了した。

 1回目の授業は、どんな教室か、どんな生徒か、まったく分からないため、毎回緊張していた。毎日自分の額から汗が流れ落ちるのが分かった。

 そして授業が終わると、激しい自己嫌悪に陥り、夜は眠れなかった。

 

 2回目は、どの授業もだいぶ落ち着いてできたと思う。もちろん授業準備をしっかりしておくことは大前提だが、自分の場合は、事前に、やれ時間配分だとかアレコレ考えすぎると失敗する。

 それよりも「まぁ、終わらなければ解答をプリントで配っちゃえばいいかな」とか「言いたいことの6割が言えたらいいかな」くらいの気持ちで授業をする。

 そうすると不思議と、時間ぴったりに、伝えるべきことはほぼ伝えきって授業を終えられるのだ。これは心の余裕から来るものなのだろう。

 

 コーラとチョコレート。これは私の授業前の必需品だ。これらを摂取することで、授業に集中できる。

 もちろんどちらにも、神経を高ぶらせる成分が入っているため、その効果で集中できるというのは大いにある。

 だが自分にとっては、どちらかといえば、「おまじない」に近い。それらを飲んだり食べたりしたら、不思議と授業がうまくいく経験が多かったから、それにあやかろうとしているんだと思う。私にとってはむしろ心を落ち着かせるためのものである。

 

 「授業がうまくいく」というのはどういうことだろうか。

 それは教師の自己満足ではなく、生徒が「わかった」「来てよかった」と思ってもらえる授業ができることである。それ以外にはない。

 そのためにはどうすればいいか。 それは、教師が気張りすぎないことである。

 力を抜いてゆったりとした気持ちで授業をすれば、生徒もそれにシンクロして、ゆったりと心地よく授業が受けられる。そういう時は、こちらが「ずいぶんいろいろしゃべったな」と思うときも、それほど時間が過ぎていなかったりする。

 自分が息を吸ったとき、生徒も同じタイミングで吸い、吐くときも同じ。これが最高にシンクロしたときである。それができれば、お互いにとって最高の授業になることは間違いない。

 焦っていると、生徒にもその焦りが伝わり、無用な心配をさせてしまう。時間ばかり過ぎて、なかなか前に進めない。

 まずは落ち着くこと。これが一番大事かな。もう生徒の顔も教室の雰囲気も分かったので、できることだろう。

 

(2008.05.01)

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