高校時代

 

 今日日本テレビの「スーパーテレビ」という番組で、男子シンクロが有名な高校の特集番組をやっていた。映画やテレビドラマにもなった、あの「ウォーターボーイズ」の原型となった水泳部だ。

 俺も高校のとき水泳部で、さすがにシンクロはやらなかったけれど、とても懐かしい思いで見ていた。 驚きなのは、このシンクロの主役となるのはなんと3年生なのだそうで、夏休みに昼間必死で練習して、もちろん受験もあるから夜は塾に通って勉強の毎日なのだそうだ。俺も高3の頃といえば、通っていた高校の文化祭では3年生が劇をやるのが伝統になっていて、勉強そっちのけで毎日セリフと演技の練習をしていた。それが理由で、俺は一回受験に失敗してしまったけれど。

 実は先日俺は、塾に通っている生徒たちの高校の文化祭に足を運んだ。俺を見つけた生徒はすごく喜んでくれ、自分のクラスの出し物を必死でアピールしてくれた。ブラスバンドや、コピーバンドで演奏する生徒たち、模擬店で食べ物を作る生徒たち、塾の授業で見せる顔とはまた違った、真剣な表情をしていた。

 高校時代というのはこういう、言ってみればとても「ばかばかしいこと」に必死で取り組まなければいけないと思う。

 もちろん、ひと時の祭りを終えればまた受験勉強という現実が待っている。だがその祭りに必死で取り組んだ生徒は、いやむしろ必死で取り組んだ生徒こそ、遅かれ早かれ受験勉強にも力を入れられるだろう。なかなか切り替わらない生徒には、厳しく「お尻をたたく」必要が出てくるだろうけれど。

 せっかくの高校生活、勉強だけではもったいない、何かほかに必死で取り組めるものをぜひ見つけて欲しいものだ。直接は受験勉強に関係ないにしても、その経験がまた、自分自身の大きな糧となるのだろう。

(2004.09.13)

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