第1回 定積分と不等式 〜その1〜
定積分そのもの値は求められないため,それを「評価する」問題,つまり「定積分の値が満たす範囲を求める」問題がある.
頻出ではあるが,苦手とする人が多い.
今回は,どのようにして評価をするのか,いろいろな例を見ていこうと思う.
問題1
\(n\) を自然数として,
\( \displaystyle a_n = \int_0^1 x^n e^x dx \)
とする.次の不等式を示せ.
(1) \( \displaystyle \frac{1}{n+1} < a_n < \frac{e}{n+1} \) (山形大)
(2) \( \displaystyle \frac{e}{n+2} <
a_n <
\frac{e}{n+1} \) (京都産業大)
問題2(大阪教育大)
(1) \( \displaystyle 0 \leq x \leq \frac{\pi}{2} \) に対して,\( \displaystyle e^{-x} \leq e^{-\sin x} \leq e^{-\frac{2x}{\pi}}\) を示せ.
(2) \( \displaystyle 1-\frac{1}{e} < \int_0^\frac{\pi}{2} e^{-\sin x} dx < \frac{\pi}{2} \left( 1-\frac{1}{e} \right) \) を示せ.
問題3(お茶の水女子大)
\(a,\ b\) を実数とし,\(a<b\) とする.関数 \(f(x)\) は閉区間 \([a,\ b]\) で連続,開区間 \((a,\ b)\) で少なくとも2回微分可能で,\(f''(x) \geq 0\) とする.
(1) \(a<c<b\) とする.\(y=g(x)\) を点 \((c,\ f(c))\) における接線とする.\(a \leq x \leq b\) のとき,\(g(x) \leq f(x)\) を示せ.
(2) \(y=h(x)\) を,\((a,\ f(a))\),\((b,\ f(b))\) の2点を通る直線とする. \(a \leq x \leq b\) のとき,\(h(x) \geq f(x)\) を示せ.
(3) \(a<c<b\)
とする.
\( \displaystyle \frac{1}{2}(b-a)(f'(c)(a+b-2c)+2f(c)) \leq \int_a^b f(x)dx \leq \frac{1}{2}(f(a)+f(b))(b-a)\)
を示せ.
(4)\( \displaystyle \frac{\pi}{2} e^{-\frac{1}{\sqrt{2}}} \leq \int_0^\frac{\pi}{2} e^{-\cos x} dx \leq \frac{\pi}{4} \left(1+\frac{1}{e} \right) \)
を示せ.
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