イマセン第23回 何を同一視するか 〜その1〜

 

 今回は、場合の数の問題である。まずは例題から見てみよう。

 

例題:4 個の文字 a, b, c, d がある。

(1) この 4 個を、一列に並べる方法は何通りあるか。

(2) この 4 個を、円形に並べる方法は何通りあるか。

 

いわゆる「円順列」の問題である。セオリーを確認しておこう。

 

解答:

(1) これは普通に「順列」の問題だから、 通り。

(2) これは「円順列」。円順列は、「回転して重なるものどうしを、すべて同じものとみなす」のがルールである。考え方は 2 つあった。

 

 (考え方1) (1)の順列を円形につなげたとき、同じものをひとまとめにする方法。

  (1)の 24 通りのうち、例えば次の 4 つの先頭と最後をつなげて円形にしたと考える。もともとの先頭を★で表す。

 

 

  このとき、これらの 4 つは、順に右に ずつ回転すれば右隣のものに一致する。したがってこれらは、円順列としてはすべて同じものである。

 同様に他も 4 つずつ同じものだとみなせるので、円順列の方法は、 通り。

 

 (考え方2) 考え方1の方法では、もともとの先頭であった★が aのもの、 bのもの、 cのもの、dのものが 1 つずつの計 4 つをまとめて同じものとすることができた。

 したがって円順列を数える場合、★にくるものが「aである」と決めてしまい、残り 3 個を並べる方法を考えればよい。この 3 個は普通の順列なので、その方法は、 通り。

 

 この結果は、次のようにまとめられる。

 異なる 個を円形に並べる方法(円順列)は、次の通り。

  (考え方1:順列を円形にしたとき同じものをひとまとめにする) ・・・  通り

  (考え方2:1つのものを固定する) ・・・  通り

 

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