イマセン第22回 ベクトルをつなぐ 〜その1〜
今回は数学3Cを利用する理系難関校志望者を対象にしたいと思う。
曲線の式や図がすでに与えられていれば、面積や体積を積分を用いて求めることはできるが、その式を自分で作らなくてはならない場合、それとは別の大きな難しさが存在する。今回はそんな問題を扱ってみよう。
問題
1.原点 O を中心とする半径 1 の円に糸が巻きつけられていて、糸の端は点 A
にあり、反時計回りにほどける。いま糸をたわむことなくほどいていき、その糸と円の接点を
Q とし、
とする。さらに、ほどかれた糸の端の座標を P
とする。このとき、
と
を
の関数で表せ。
2. 原点 O を中心とする半径 1 の円周上に動点 Q がある。Q は第1象限にある円周上を点A
から点B
まで動くとし、
とする。さらに、点 Q を中心として線分 OQ と時計回りに角
をなす長さ 1 の線分 QP を考え、P
とする。このとき、
と
を
の関数で表せ。
Hint: 次のFactが成り立つことを利用しよう。
<Fact>点 O を原点とする座標平面上の点 P に対し、線分 OP の長さを
,線分 OP が
軸正の向きとなす角を
とするとき、
,
すなわち、
が成り立つ。このとき、 を
の絶対値、
を
の偏角という。
ただし偏角は、 軸正の向きから反時計回りに測るとき正、時計回りに測るとき負である。
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