イマセン第21回 動くものがたくさんあるときは 〜その3〜

 

 次に、計算で行く解法を紹介しよう。ベクトルを用いるのが一番だろう。

 解答1.(解2・計算で行く解法)

  

  とおく。このとき

   
   

 である。

 

 点 P が辺 AB 上、点 Q が 辺 OC 上をそれぞれ動くことから、

      ただし 
      ただし 

 と表せる。よって、

    =
       = 
       =

 と表せる。このとき、

    =
                 =
                           
                 =
                            
                 =

 となる。

 

 ここで とおくと、

   
                =
                =

 であり、 であることから の最小値は

   

 である。

 

 したがって、PQ= の最小値は

     =

 となる。

 

 見た目こそややこしくなったが、これは単なる「2変数関数の最大最小」の問題である。

 

  の最小値を考えるときに少々荒っぽくやってしまったが、もう少し丁寧にやると次のようになる。

   
                =    ・・・ まずは を固定し、 だけの関数と考えて平方完成
                =      ・・・ この式から のとき最小値 をとるとわかる。
                =   ・・・ 次に、 を  の関数と考えて平方完成
                =    ・・・ この式から のとき最小値 をとるとわかる。

 つまり、

   「まずは を固定し、 だけ動かす」 → 「次に を動かす」

 という点で、結局ここでも「動くものを1つだけにする」という考え方が登場している。

 また、 で最小になるということは、それぞれ、「点 P が辺 AB の中点」「点 Q が辺 OC の中点」にあるときが最小である、ということを表していて、これは解1で図形的に考えたときと同じ結果である。

 

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