イマセン第20回 基本に忠実に 〜その1〜

 

 今日は、「教科書どおりのことは一通り分かるが、少しひねられると手も足も出ない」という人向けだ。単元は「数学2三角関数」、高校3年生以上の大学受験生は特に読んでもらいたい。

 

 まずは例題から。

 例題  のとき、不等式  を解け。

 

 解答

 

1.まず与えられた範囲で、方程式  を解くことを考える。
 これは「単位円上の点の 座標が に等しくなるような、角 の値」を求めることと同じである。

 (1) 単位円の図に直線  を追加する。

 (2) このとき円と直線とは交点を2つ持つ。

 

 (3) 円の中心 O から (2) の2交点へ線分(動径)を引く。

 

 (4) 下図斜線部の三角形は、辺の比が の直角三角形である。

    したがって、 軸正の向き(始線)から動径までの角度は、それぞれ である。

    これが方程式  の解である。

 

 

 

2.次に、不等式  を解くことを考える。
 これは「単位円上の点の 座標が 以上となるような、角 の範囲」を求めることと同じである。

 (5) 単位円上の の部分、すなわち、直線 よりも右側の部分を太く塗る。

 

 (6) 太く塗った箇所に、0 と が含まれることに注意して、求める範囲は となる。

   これが不等式  の解である。

 

 答 

 

 どうだろうか。例題だけでずいぶんと長くなってしまったが、三角関数の不等式は苦手な人が多いので、じっくり解説してみた。

 では次に、これを踏まえて問題に行こう。

 

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