イマセン第18回 忘れた頃にやってくる最大・最小 〜その2〜

 

解答 (1)  のとき、最小値 4

解説

(1) 分数式の最大・最小の場合、まずは分母と分子の次数を見よう。

 もしも(分子の次数)≧(分母の次数)ならば、どんなときでも、割り算をして(分子の次数)<(分母の次数)にしてから考える。

 

  で割ると、商 ,余り 1 であるから、

            ←  (割られる式)=(割る式)×(商)+(余り)
   ∴    ←  両辺を で割った
   ∴ 

 したがって関数は、 ・・・(*) と変形できる。

 

 この最小値を求めるために、もしも数学3まで学んでいる人なら微分を用いればよいが、12ABまでしか学んでいない人でも以下のようにできる。その方法は、実は微分を用いるより計算が楽である。

 そこでまず、次のような事実を思い出そう。

 

<相加平均・相乗平均の関係式>

  を 0 以上の数とするとき、常に が成り立つ。
 等号は、 のときに成り立つ。

 ※ただし実際にこれを利用する場合は、分母を払って として使うことが多い。

(使用例)  のとき、関数 の最小値とそのときの の値
(方針)  であるので、 として相加相乗を用いる。

(解)   であるから、つねに である。
   等号は すなわち のときに成り立つ。
   したがって、最小値は 2 であり、このとき である。

 

 使用例のポイントは、積 を計算すると文字が約分されて消えるところにある。そこに注意しておこう。

 

 さていよいよ

   ・・・(*)

 であるが、お察しの通り「相加相乗」を用いる。ただし としても 積 に文字が残ってしまうので、用いる前に一工夫必要である。

    
      ← 分母にあわせて、 とした。
      ←  より、相加相乗を用いて、
    

   等号は、 すなわち のときに成立。

 したがって、最小値は 4 であり、このとき である。

 

 分母にあわせて、 とするところがポイントである。

 

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