イマセン第13回 不等式の感覚〜その3〜

 

補足:

 今回のような問題を授業で扱うと、間違える人や迷う人が必ずたくさん出てくる。

 たとえば (1) は、「 に=がついていないから、答えにも のように全く=をつけない」などと間違えてしまう場合が一番多いだろうか。

 あるいは、何とかしてパターン化・公式化しようとして失敗してしまう場合もある。

 この問題はパターン化できないし、たとえできたとしても意味がない。解答編で考えたように一つ一つ論理的に考える力を養うことのほうがはるかに重要であるし、出題者の意図もそこだろう。

 ただ、あくまで自分自身の個人的な感覚にすぎないが、「不等式は考えづらいから、等式に置き換えると考えやすい」ということは言えるだろう。たとえば(1)なら、少なくとも  が4と5の間にあることは分かるから、あとは端の値だけ等式で考え、  あるいは  が条件を満たすかどうかだけを調べればよい、ということだ。

 間違えてしまった人、どうかもう一度ゆっくり考え直して欲しい。

 

 ところで、不等号は4種類存在するが、それらにはきちんと名前がついている。

 < ・・・ 小(しょう)なり   ≦ ・・・ 小なりイコール  > ・・・ 大(だい)なり   ≧ ・・・ 大なりイコール

 これらを使うと、たとえば は、「4 小なり 小なりイコール 5」と左から順々に読める。右に口が開いているのが「小なり」で、その逆が「大なり」なのだが、生徒たちは結構忘れてしまうようだ。

 英語が得意な人は、次のような「比較級」で考えると分かりやすい・・・かもしれない(単語はいい加減)。

  ・・・   is smaller than 1. といえるので「小なり」

  ・・・   is bigger than 1. といえるので「大なり」

 この話をたまにすると、大体の生徒はひいてしまうのだが。

 

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