イマセン第13回 不等式の感覚〜その1〜

 

 不等式が苦手な人が多い。もちろん単純に「不等式 を解け」というだけの問題ならば、できる人がほとんどだ(ちなみに解は )。それとは別の、不等式の本質を突いた次のような問題は、どんなに上位のクラスでも正しく答えられる人は決して多くない。そんな不等式について扱っていこうと思う。教師の側からしても、説明の難しい問題の一つである。

  まず、次の例をよく読んで欲しい。

例:を実数の定数として、不等式 ・・・(*) の範囲に含まれる整数の個数を考える。

(例1)  ならば、不等式(*)は となり、この範囲に含まれる整数は 3, 4 の2個である

(例2)  ならば、不等式(*)は となり、この範囲に含まれる整数は 3, 4 の2個である

(例3)  ならば、不等式(*)は となり、この範囲に含まれる整数は 3, 4 の2個である

(例4) ならば、不等式(*)は となり、この範囲に含まれる整数は 3, 4, 5 の3個である

逆に言えば、不等式(*)に含まれる整数が2個であるようなの値は、(例1)〜(例3)から分かるように、1つではなくある程度範囲がある。これをもとにして、次の問題を解いて欲しい。

 

問題 を実数の定数とする。次の範囲に含まれる整数が、ちょうど2個であるようなの値の範囲を求めよ。(注: は ≦ と同じ意味)

(1) 

(2) 

(3) 

(4) 

 

(1)〜(4)は微妙に不等号が異なっている。この微妙な違いが答えに大きな差をもたらす。問題を解く際、次の2つのことにしっかりと注意して欲しい。

1. その2個の整数とは、具体的に何と何なのか。
2.  の範囲を求める際、使う不等号は < と ≦ のどちらが正しいのか。

ゆっくり考えてみよう。

 

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